建物を建てられる土地には「市街化調整区域」と「市街化区域」とがあります。市街化調整区域は農地や山林を保護するため開発を抑制する地域、市街化区域は市街地として開発される地域です。
鎌倉では、大仏で有名な高徳院周辺で、風土保存を目的に市街化を抑制する市街化調整区域が定められています。
市街化区域は市街地となることを目的にした地域につき建物を建てやすいけれど、市街化調整区域では、市街化を抑制する地域につき建物を建てる場合には様々な規制があります。
まずデメリットは、市街化調整区域では建物を建てるときに、都市計画法で厳しい規制がかけられることです。建物を建てにくい特殊な場所につき、売却時に価格が非常に安くなったり、新築時に住宅ローンが通りにくかったりします。また近くに繁華街がないため、スーパーやコンビニが遠くなりがちです。
そしてメリット。建物が建てにくいことが逆にメリットともいえます。まず土地価格自体が安くなる傾向があります。建物がせせこましく密集する場所とは違って、隣家までの空きが広く、緑も多い地域です。隣家の建て替えも少なくて、とても静かな住環境を得られる地域です。
そんな緑いっぱいで静かな住環境を得られる市街化調整区域で、家を建てる場合はどんなことに注意すればよいでしょうか
比較的よくあるケースとして、市街化調整区域内にある古屋住宅付きの土地を買って、建て替えあるいは、リノベーションをして自宅とする場合を例示します。建て替えの場合は同じくらいの規模であると、比較的建てやすいといえます。
(※既存住宅がない場合、自身では住まずに他人に貸す場合、新築住宅の規模を既存住宅より大きくする場合は、より厳しい基準が適応されますので、きちんとした調査すること!)
都市計画法をクリアしていかなければなりません。そのなかで主要な3点をピックアップします。
①昭和45年より前から、宅地としての履歴があること。
②周囲にある程度、建物が建っている地域であること。
③土地がある程度広いこと※150㎡以上
(「都市計画法に基づく開発許可関係事務の手引」における提案基準9および提案基準18による)
「①昭和45年より前から、宅地としての履歴があること」とは、具体的にどういうことだろう。これには以下のようなパターンがあります。
①昭和45年より前から、土地登記簿における地目が宅地とされていた土地
②昭和45年より前から、固定資産課税台帳が宅地として評価されていた土地
③昭和45年より前から、宅地造成等規制法の許可を受けて造成した土地
④昭和45年より前から、建築基準法に基づく道路位置指定の申請をして造成した土地
⑤昭和45年より前から、建築基準法に基づく工作物の確認を受けて造成した土地
⑥昭和45年より前から、建築物を建てる目的で農地転用許可を受けて、建築物を建築した土地
⑦昭和45年より前から、建築確認を受けて、建築物を建築した土地
⑧昭和45年より前から、その他建築物の敷地であることが明らかであると認められる土地
(※とてもデリケートな部分ですので、必ず鎌倉市役所で確認すること!)
上記が満たせる、昭和45年以前から建つ古屋があって、比較的まわりに住宅があるような土地であれば、建て替えできる可能性は非常に高いです。例えば高徳院周辺の市街化調整区域はとてもおおらかで品のある、まさに鎌倉らしい場所で、素晴らしい住環境です。ぜひ検討してみてはいかがでしょう?
市街化調整区域は、特殊な土地ですので、詳しくは建築士に相談しましょう。
※記載したものは都市計画法の一角で、他にも細かな規制がたくさんあります。調整区域で家を建てる場合には、「都市計画法に基づく開発許可関係事務の手引」を確認し、必ず鎌倉市役所の開発審査課に相談にいくようお願いします!
お読みいただいてありがとうございました!右も左もわからず、、敷地に対する不安が募ることもあるかと思います。弊社では、土地についての無料相談も行っておりますので、お気軽にご相談くださいませ。
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邸宅巣箱スタッフ一同