塩害とは、塩分を含む風や雨、汚れなどで、腐食や錆が発生する被害のこと。電気機器の劣化、鉄製の手すりなどの劣化を促進してしまいます。海沿いの地域では十分に配慮しなければいけません。
実際に飛んでくる塩分量は、風向きや海抜高さなどにより異なるので、目安として考えておくべきです。
建物が建てこんでいたり、樹木に囲まれた場所では塩害被害が小さくなります。逆に見通しのよい場所では被害が大きくなります。建物の海側面と陸側面でも被害に差がでてきます。
また大型台風で潮風が遠くまで運ばれて、海岸から2kmを超えても、塩害が発生することもあります。立地状況を鑑みて、塩害リスクを判断することが大切です。
とくに軒下に設置された電気機器や金物などで発生しやすくなります。塩分を含む風に晒されて、かつ雨ざらしのないない場所では、長期間塩分が付着したままになるためです。
エアコン室外機や給湯器などは、メーカーで販売している塩害対策品を使用するのが一般的な対策です。塩害対策品には表面に特殊なコーティングが施されています。
取り付けのときには、コーティング面に傷が付かないように十分に注意しなければいけません。コーティングに傷がつくと、損傷部分からサビが進行してしまうからです。
金属部分についても、スチール製よりはステンレス製のものの方が効果的です。しかしステンレスは高価ですので、コスト面で難しければ、スチール部材にめっき処理したものを用いることも有効です。めっき上に塗装ができるとなおよい。
またステンレスは異種金属が触れ合うと電食が発生するので、注意しなければいけません。
機器自体は完璧に塩害塗装がほどこされていたとしても、配管切断の際などにどこからか飛んできた金属粉が表面に付着してしまうと、そこからもらい錆が発生します。
屋外の鉄骨階段や手すりなどは、もっとも注意しなければいけません。
などが一般的な対策です。標準的な錆止下地では、海沿い地域では不十分な場合が多いと思います。塗料もフッ素塗料などの高耐久塗料を使用すると望ましいです(ただしコスト高ですが)。
将来的な塗り替え費用を鑑みれば、初期投資が高くとも高耐久塗料を使用するのは決して高くはありません。
塩害は建物の各所に影響を及ぼします。信頼できる建築士によく意見を聞きながら、家づくりを進めましょう。
お読みいただいてありがとうございました!
次回ブログでも引き続き、塩害対策で気をつけるべき、具体的な箇所を紹介します。
※このブログの内容は、あくまで個人の経験にもとづくものであり、正確な情報は担当の設計士に確認するようお願いします!
邸宅巣箱スタッフ一同