鎌倉で土地を探していると、「崖地」や「傾斜地」に出会うことも多いはず。景色がよく、価格も魅力的な場合が多いですが、「安全面は大丈夫かな?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
そんな土地には、しばしば土砂災害警戒区域(イエローゾーン)土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン) という指定がかかっています。鎌倉市は三方を山に囲まれ、一方が海に開かれた“谷戸地形”で形成されているため、他の地域に比べて警戒区域の密度が高い地域になります。
2000年に「土砂災害防止法」が施行され、鎌倉市では2021年の熱海の土石流災害などを契機に、全国的に「盛土規制法」など法整備が強化され、鎌倉市でも指定の見直しや警戒区域の調査と強化が進んでいます。これは、土砂崩れなどの災害で建物や人命に危険が及ぶ可能性がある場所を示すもので、土地選びや建築計画の際に注意が必要です

中でもレッドゾーン(土砂災害特別警戒区域)は、特に厳しい制限がかかる区域です。
この区域で建物を建てるには、以下のような条件があります。
・建物に鉄筋コンクリート造などの頑丈構造が必要
・崖側に開口部(窓など)を設けられない
・軒や庇、雨樋などの一部でもレッドゾーンにかかると、建物全体が規制対象に
・長期優良住宅の認定が取れないことも
一方、イエローゾーン(土砂災害警戒区域)は建築そのものに制限はありませんが、
土砂災害のリスクを理解したうえで、警戒避難体制の整備や、
将来的な資産価値・災害時のリスクを十分に考慮する必要があります。

実は、土砂災害を防ぐための擁壁などの対策工事を行うことで、
レッドゾーンの指定を解除できる可能性があります。
ただし、そのためには…
神奈川県への申請、図面提出や現地調査、工事完了後の確認、公報への掲載といった複数のステップと手続きが必要です。さらに擁壁の設置などには多額の費用と時間がかかります。
解除のハードルは高いですが、それに見合うだけのメリットもあります。
例えば、建物の構造制限がなくなり、プランニングの自由度が広がります。また、安全性が高まり、土地・建物の資産価値がアップする「安心して住みたい」「将来売ることも視野に入れている」そんな方にとっては、レッドゾーン解除は大きな選択肢となりえます。

レッドゾーンでの建物の建築や区域の指定解除は簡単ではありませんが、上手く建てる工夫もあります。
敷地内にレッドゾーンの境界があっても、そこを避けて家を建てれば制限はかかりません。木造や鉄骨造など、通常の構造で設計が可能です。また、家と完全に切り離された工作物(デッキ・倉庫など)であれば、協議次第で一般的な仕様での建築が認められることも。
ですのでレッドゾーン内で建物を建てる方法を大まかに分けると、
1.建物を鉄筋コンクリート造で建て頑丈な構造形式にする方法
・メリット:擁壁へかける費用を抑えられる。
・デメリット:建物コストがかかる。
2.レッドゾーンの中では崖側に擁壁を作り、レッドゾーンを解除する方法
・メリット:建物のプランニングに自由度がでる。
・デメリット:建物以外に擁壁のコストもかかる。建物を建てるのに通常より時間が2~3倍ほどかかる。
3.敷地内のレッドゾーンを避けて自由な構造形式で建てる方法
・メリット:建物へかける費用を抑えられる
・デメリット:敷地が小さいと、建物プランニングに制限がかかる

鎌倉市では、がけ地の防災工事や樹木の伐採に対して補助が受けられる制度があります。
対象となるのは、以下のようなケースです。
・道路に面した崖の工事
・隣接する築10年以上の建物に影響する崖
・リノベーション時に、既存建物が築10年以上であれば対象になる可能性あり
詳しくは、鎌倉市の公式サイトをチェック!
🔗 鎌倉市|がけ地対策の補助制度

お読みいただいてありがとうございました!
レッドゾーンだからといって、家づくりを諦める必要はありません。
ただし、構造費が高くなる可能性、住宅性能の認定が受けられない、資産価値や将来性に影響するといった点を踏まえて、早い段階からしっかりと確認・検討することが大切です。
崖地での家づくりには、専門知識と経験が必要です。
気になる土地があれば、ぜひ私たち建築家にもお気軽にご相談ください!
邸宅巣箱チーム一同