鎌倉006
動線を編み込むことで生まれた空間の力学
本住宅は、「編む」という行為の運動と構造を建築空間に転写する試みである。きっかけは、布をテーマにしたスタジオを併設したいという建て主の要望だった。棒針が糸を掬い、捻り、通す動きをなぞらえ、水平・垂直・螺旋といった多方向の動線が交差しながら空間を織り成していく。4.5mの吹き抜けを持つリビングはギャラリーにもなり、ダイニングの床を40cm下げて囲んだ回廊は腰掛けや客席にも転用される。中央のテーブルは日常では食卓に、ワークショップ時には作業台となる。固定的な用途を前提とせず、場の機能が編み直されることで、空間は使途に応じて新たな様相をまとう。運動と構造の構成が、らせん状の力学として表現されつつ、動的かつ多義的な空間に翻訳されることを試みた。

















