鎌倉009
谷戸の浮庭
本計画は、谷戸の崖面に建つ既存住宅の改修である。自然から切り離されたように建っていたRC造の既存建物に対し、2階外周にバルコニーを巡らせ、その先端に植物を育むバスケットを設けることで、建築と山林、そして植物との関係を再構築した。人工的に設計されたこの“浮庭”は、構造荷重や通気性、保水性を精査して成立しており、建築と植生の接続点として機能する。一方、そこから滴り落ちる水は、一階の地面に土を運び、植生を変化させ、山の表情を更新する。庭を単なる装飾的要素としてではなく、建築と環境を媒介する動的な装置として再定義した。
