鎌倉009

谷戸の浮庭

本計画は、谷戸の崖面に建つ既存住宅の改修である。自然から切り離されたように建っていたRC造の既存建物に対し、2階外周にバルコニーを巡らせ、その先端に植物を育むバスケットを設けることで、建築と山林、そして植物との関係を再構築した。人工的に設計されたこの“浮庭”は、構造荷重や通気性、保水性を精査して成立しており、建築と植生の接続点として機能する。一方、そこから滴り落ちる水は、一階の地面に土を運び、植生を変化させ、山の表情を更新する。庭を単なる装飾的要素としてではなく、建築と環境を媒介する動的な装置として再定義した。

主要用途:一戸建ての住宅
建築種別:改修
構造種別:鉄筋コンクリート造
敷地面積:1170.99㎡
延床面積:164.61㎡
竣工年月:2025/10
意匠設計:邸宅巣箱
構造設計:平岩構造計画
施工会社:出口建具店
建築写真:中山翔太