鎌倉007

ずらし・はずし・くずしの建築操作

アヴァンギャルドなアパレルを手がけるデザイナー夫妻のための、アトリエ併設住宅である。本計画は、ファッションにおける〈ずらす〉〈はずす〉〈くずす〉という操作を、建築に拡張する試みである。仕上材はあえて余剰を見込まず実数で発注し、現場で生じた材料の不足や余りに即興で応答することで、入隅・出隅に“ずれ”を持ち込む納まりとした。慣習的な納まりからの脱却であると同時に、素材廃棄の削減にもつながっている。平面構成もこの操作と連動しており、異なる素材で仕上げた機能コアが、ワンルーム空間に縫い込まれるように配置されている。ファッションの文脈から引き出されたこれらの操作により、建築と素材の関係に批評的な厚みを与え、空間の均質性や設計の規範を問い直すことを試みた。

主要用途:一戸建ての住宅
建築種別:新築
構造種別:木造
敷地面積:140.52㎡
延床面積:106.01㎡
竣工年月:2024/09
意匠設計:邸宅巣箱
構造設計:平岩構造企画
施工会社:葉山工務店
建築写真:根本健太郎,中山翔太