鎌倉001

古民家の改修歴を継承するFL+2.5m以下の改修

昭和初期の別荘地としての面影を色濃く遺す、鎌倉材木座の築90年・約300坪の屋敷に対する改修計画である。度重なる増改築の末、FL+2.5mを境に、下部には更新の痕跡を刻んだ土壁が、上部には90年間ほぼ手が加えられてこなかった象徴的な小屋組が残されていた。本計画ではこの対照関係を読み取り、意図的に2.5mライン以下のみに改修範囲を限定。耐力壁もすべて2.5m以下の準耐力壁として再構成している。この操作は、屋敷に刻まれた改修の歴史に呼応しつつ、建築の物語性を継承するものである。改修後、屋敷は住宅宿泊事業法に基づく一棟貸し宿として再生。制度的更新を契機に、90年越しに「別荘」的な使途へと立ち返る建築的転回を果たしている。

主要用途:住宅宿泊事業法に供する住宅
建築種別:改修
構造種別:木造
敷地面積:1,057.05㎡
延床面積:221.35㎡
竣工年月:2020/07
意匠設計:邸宅巣箱
構造設計:yasuhiro kaneda STRUCTURE
施工会社:山幸建設
建築写真:牧野吉宏,田淵三菜